男性不妊
2017年07月06日更新 2017年03月14日公開

精子の元気がない、精子無力症の原因とその対処法とは

近年増えている男性不妊の原因は、さまざまあります。その中でも精子無力症とはどのようなものでしょうか。今回は精子無力症とはどのような症状なのかについて、ドクター監修のもと詳しく解説していきます。

監修医師

この記事の監修者
 サズカル参画ドクター 先生

男性不妊というと、精子に問題があるのは皆さんご存知の通りですが、精子の異常にもいろいろな種類があるといわれています。

男性不妊の分類

男性不妊といっても、さまざまな原因があり、大きく次のように分類されます。

  • 無精子症
  • 乏精子症
  • 精子無力症
  • 勃起・射精障害

今回はその中でも特に精子無力症についてご紹介したいと思います。精子無力症というのはどのような状態でしょうか。

精子無力症とは

精子の元気がない

精子無力症は、射精により出される精子の運動が悪い状態を言います。膣内に射精された精子は膣→子宮→卵管を泳ぎ上がり、その中の1匹が卵管で卵子に出会い卵子に入り(受精)、受精卵が子宮に移動し着床すると妊娠が成立します。何億匹という精子が一つの卵子に向かって泳いでいくのですが、受精するのは1匹の精子のみです。通常、精子は勢いよく前進運動しています。なんらかの原因により精子の運動が悪い状態のことを精子無力症と言います。

精子無力症の基準

精子無力症は精液検査で診断されます。国際基準では、運動精子(前進精子+前進せずに動いているのみの精子)が40%未満、もしくは前進している精子が32%未満であった場合に精子無力症と診断されます。

精子無力症の原因

精子無力症の原因には、精液の細菌感染によるもの、抗体が精子にくっついて精子の運動ができなくなるもの、生まれつきの精子の尾の異常のものなどがありますが、原因不明のものがほとんどです。一般に精子の数が少なくなると、精子の運動性も悪くなる傾向があります。

精子無力症の治療

精子無力症の治療には、次のようなものがあります。

日常生活の改善

まずは日常生活の改善が必要です。タバコは明らかに精子の数を減らします。さらにタバコは奥様にも生まれてくる赤ちゃんにも有害です。父親/母親になろうと決めたら夫婦でキッパリ禁煙しましょう。精子は精巣(睾丸)で造られます。精巣を温めると精子が悪くなります。長時間の風呂やサウナは避けましょう。パンツもトランクスタイプに替えて精巣を身体から離なし、体温で精巣を温めないようにしましょう。内服の育毛剤の中には精子の状態を悪くするものがあります。処方医に相談してください。

抗生剤内服治療

精子無力症の原因が、細菌感染によるものに対しては、抗生剤の内服治療が行われます。抗生剤を内服しながらマスターベーションによる射精を何回も行い、精液の新陳代謝を行いましょう。もちろん抗生剤内服後の精液検査は、2~7日間の禁欲(射精をガマンした状態)後に行う必要があります。

経験的内服治療

原因不明の精子無力症に対しては確立した治療法はありません。経験的な治療として、漢方、亜鉛、リコピン、カリクレイン、コエンザイムQ10、ビタミン剤などの内服治療がなされています。ただし、これらの治療で確実に精子の運動がよくなるという証拠はありません。精巣にある精子の元になる細胞が精子になるには約74日かかるとされ、これらの内服治療は何か月も継続する必要があります。

産婦人科での生殖補助治療

上記の治療を行っても精子の運動がよくならないものに対しては、奥様の卵子と精子が出会う確率を上げるための産婦人科での人為的な治療である「生殖補助治療」が必要となります。まず人工授精(AIH)です。AIHは、採取した精子のうち運動性のいいものを選んで、奥様の子宮の中に注入する方法です。膣内に射精する通常の性行為より、卵子に出会うまでに精子が泳ぐ距離が短くなります。AIHで妊娠しなかった場合は、卵子を体外に取り出して、試験管内で精子と卵子を出会わせて受精させ、受精卵を子宮に戻す体外受精(IVF)が必要となります。それでも妊娠しない場合は、マイクロピペットに取った1匹の精子を直接卵子に強制的に入れる顕微授精(ICSI)というもっとも高度な方法が必要です。AIH、IVF、ICSIの際には、精液は人為的に除去され精子のみが使われます。したがって抗体が精子にくっついて精子の運動ができないものは、精液中の抗体が除去され精子の運動がよくなることが期待されます。生まれつきの精子の尾の異常が原因のものは、精子の運動が全く無いためICSIが唯一の治療方法となります。

どの手法も確実ではない

AIH、IVF、ICSIといった生殖補助治療を行っても、確実に妊娠できるとは限りません。あくまでも妊娠の

確率を上げるための治療法として理解しましょう。遠慮せず、男性サイドを担当する泌尿器科、女性サイドを担当する産婦人科の主治医とよく相談することが大切です。

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