男性不妊
2017年07月06日更新 2017年03月15日公開

精子がまったくない、無精子症について

男性不妊にもいろいろありますが、無精子症と診断されると子供をつくるのが非常に難しいといわれています。無精子症とはどのようなものでしょうか。今回は無精子症について、ドクター監修のもと詳しく解説していきます。

監修医師

この記事の監修者
 サズカル参画ドクター 先生

男性不妊症に悩まされる男性が増えてきています。男性不妊症にもいろいろな種類があります。ここでは、無精子症の種類と治療法などについて見てみましょう。

無精子症の分類と診断法

精子は精巣(睾丸)で造られます。無精子症は、精液の中に精子が全くいないを状態をいい、その患者は、全男性の約1%いるといわれています。無精子症の自覚症状はなく、精液の外観も肉眼的には変わりありません。つまり、専門の医療施設で精液検査を受けて初めてわかります。無精子症は、「閉塞性無精子症」と「非閉塞性無精子症」とに分けられます。無精子症の場合、泌尿器科専門医は精巣のサイズ、ホルモン値(採血)を調べ、精巣のサイズが大きく、ホルモンのバランスが崩れていなければ閉塞性無精子症、精巣のサイズが小さくホルモンのバランスが崩れていれば非閉塞性無精子症と診断されます。

閉塞性無精子症とは

閉塞性無精子症とは、精巣では精子が造られているのに、精子がなんらかの原因により精子が精液中に出てこない状態のことをいいます。

閉塞性無精子症の原因

閉塞性無精子症の原因には、性病等のバイ菌が引き起こす炎症で精子の通り道(精路)が詰まったもの、生まれつき精子の通路が無いもの、避妊のためのパイプカット手術によるものなどがあります。

閉塞性無精子症の治療

閉塞性無精子症の治療としては、精子の通り道(精路)をつないで精液中に精子を出させるようにする手術(精路吻合術)と、奥様の卵子と顕微授精(ICSI)させるための精子を、精巣から直接取り出す手術(TESE)があります。精路吻合術のうちの代表的なものは、避妊のため一度パイプカット手術をしたが、もう一度、子供を希望された場合に行なわれる「精管を繋ぎ直す手術」があります。この手術は顕微鏡を用いての高度な専門的手術となり、数日間の入院が必要となります。手術後精液中に精子が出てくる率(精子出現率)は約80%と高く、この手術が成功すれば通常の性生活による妊娠が可能となります。手術後に精子が出て来ない時の保険として、手術中にTESEを同時に行い精子を凍結保存しておくことも行われます。精路吻合術ができない閉塞性無精子症に対しては、TESEが唯一の治療法となります。TESEには、顕微鏡を使って精巣内を丹念に調べる「マイクロTESE」と、顕微鏡を使わない「C-TESE」があります。閉塞性無精子症の場合は簡便なC-TESEが主に行われ、精子採取率は90%以上です。

非閉塞性無精子症とは

非閉塞性無精子症とは、精巣内での精子が造られていないタイプの無精子症です。非閉塞性無精子症の原因は十分解明されていませんが、遺伝子的な異常がもっとも有力視されています。ですので、非閉塞性無精子症の場合は、染色体検査(採血)や遺伝子検査の一つであるAZF検査(採血)が薦められます。TESEという先進的治療法が一般化する以前は、非閉塞性無精子症の場合はお子さんを諦めるしかありませんでした。しかし、TESEをやってみると、精巣内にわずかに精子が造られている部位があることがわかってきました。

非閉塞性無精子症の治療

非閉塞性無精子症の治療は、「マイクロTESE」によって行われます。顕微鏡を使って精巣内にわずかに存在する精子を造っている部位を探します。マイクロTESEでの精子採取率は、約30~40%に留まります。

TESEで採取された精子は、産婦人科での顕微授精(ICSI)に供されます。

TESEで採取された精子はほとんど前進運動をしていません。したがって、その精子1匹をマイクロピペットに取って、女性から体外に採取された卵子に強制的に注入する「顕微授精(ICSI)」という先進的な治療法が行われます。ICSIによる受精率は50-70%、受精卵を子宮に戻しての妊娠率は約30%です。一般に、閉塞性無精子症に対するC-TESEでは大量の精子が取れるのに対して、非閉塞性無精子症に対するマイクロTESEではわずかな精子しか取れません。したがって、非閉塞性無精子症では、ICSIができる回数が限られます。いずれにせよ、遠慮せずに、男性サイドを担当する泌尿器科と女性サイドを担当する産婦人科の主治医とよく話し合うことが大切です。

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